煎茶の味は、適度な渋味、苦味と旨味、甘味があって調和がとれ、後味に清涼感のあるものが美味しいとされています。

 これらの味を決める成分としては、カテキン類、アミノ酸類、カフェインが代表的なもので、特にカテキンとアミノ酸とのバランスにより味が大きく左右されます。

 カテキン類は、ポリフェノールの仲間であり、エピカテキンやエピガロカテキンは渋味は弱いが苦味があり、そのガレートタイプのものは苦渋味が強いが、不快感がなく、口中を爽やかにすると言われています。玉露や抹茶はカテキンが少ないため苦渋味が弱く、ほうじ茶は高温処理でカテキンが酸化変性を受けて減少し、苦渋味が弱くなります。


 アミノ酸類は、旨味や甘味を決める成分でもあり、緑茶には約20種類含まれています。なかでも、テアニンは煎茶に含まれるアミノ酸の約60%を占め、味の決定に重要視されています。また、その他のアミノ酸類も甘味や旨味に関与するものが多く、それらの量的バランスにより複合された味が作り出されています。

 カフェインは、独特の苦味を持ち、熱水に良く溶ける性質を持つため、高温の湯で入れたお茶は苦味が強くなります。

 

「参考文献」
茶の科学:村松敬一郎編、朝倉書店
お茶の科学:山西貞、裳華房
茶の栽培と利用加工:岩浅潔編著、養賢堂
新茶業全書:静岡県茶業会議所編
お茶のなんでも小辞典:大坪檀監修、講談社



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