お茶の品種は登録されているものだけで、約70品種(緑茶)あります。これだけ多彩な種類があるにも関わらず、生産量の約8割が「やぶきた」という品種で占められています。現在、小売店に並ぶのはほとんどが、産地が違ってもこの「やぶきた」を主にしてブレンドさせたものです。

 しかし、ここ数年来、「やぶきた」一辺倒の現状に危惧を唱える方も多くなってきました。緑茶ブームといわれながらも、その主役はペットボトルであり、嗜好の多様化に日本茶は対応しきれなくなっているからです。それは単一品種の弊害ともいえます。育ちが違っても、周りが皆同じ顔のお茶ではいくら美味しくても飽きてしまいますし、全てが同じDNAを持つ環境は正常ではありません。個性は人もお茶も大切なのです。

 そして、そのような方々が提唱しているのが、ストレート茶、つまり品種茶なのです。本来お茶自身が持つ特徴、長所も短所も受け入れ、個性を楽しむスタイル。それがストレート茶との付き合い方です。その日の気分、体調、料理等で飲み分ける楽しみ方は品種茶ならではです。一方、お茶は一度植えると数十年は植え替えるのが難しく、品種茶を取り巻く状況は厳しい面もあります。

藤枝かおり

 藤枝市で生まれた品種茶で、香り良い紅茶品種と代表的な緑茶品種「ヤブキタ」を交配しました。その特徴は、緑茶とは思えない、ジャスミンのような花の香りと深くまるみを持つ味です。冷茶にすると美味しいです。


べにふうき

紅茶品種「べにほまれ」と緑茶品種「枕Cd86」を掛け合わせて作られた品種のお茶です。もともと、紅茶用品種として開発されましたが、緑茶に加工することで、豊かな香りと独特の渋味をもつお茶に仕上がります。最近の研究で、その渋味の中に「メチル化カテキン」と呼ばれる成分が含まれていることがわかってきました。


つゆひかり

つゆひかりは2000年に種苗法に基づく品種登録をした新しいお茶の品種です。天然玉露と呼ばれる「あさつゆ」と爽やかな香をもつ「静7132」を交配してつくらました。渋みが少なく、すっきりとした甘さと、独特な香りが特徴のお茶です。


おくみどり

おくみどりはやぶきたよりも摘採期の遅い晩生種の茶です。奥深い味わいをもった茶で、甘み、旨み、渋みとも決して強くなく、かといって無いわけでもない、最初の口当たりでしか感じられない味があるような繊細な茶です。クセがなく、鼻の奥にふんわり広がる花の香りを楽しめる煎茶です。


さえみどり

今注目されている人気のあるすぐれた品質です。 やわらかく若々しく、光沢があり、きれいな形。新茶特有の青々としたさわやかな香りの中に甘い香りもある上品な香り。すっきりとした上品な旨味と奥深い味わい。水色は名のとおり明るい冴えた緑色。




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